キトラ古墳
すったもんだの末、昨日とうとう壁画のはぎ取り保存が決まったキトラ古墳。実際にキトラ古墳のある明日香村阿部山に行ってみると、そこには仮設(といってもかなり立派)の覆屋が建っているだけだ。ここまでわざわざ訪ねてきた観光客に悪いと思うのか(笑)、壁画の写真パネル数枚が覆屋の前に立てかけてあった。文化庁は1983年の壁画発見以来、"現状維持"を金科玉条に古墳の保存にこれつとめてきた。床面の残存遺物の調査さえしなかった。しかし、今年になってカビの発生やしっくいの剥離が明らかになり、それに加えて高松塚古墳壁画の想像以上の劣化もあり、今回のはぎ取り保存決定となった。発見されるまで千数百年にわたって保たれてきた壁画が、現代科学をもって現状維持しようとしたとたんに1世紀ももたずに危機に瀕するとはなんとも皮肉だ。専門家のセンセー達はこの20年間なにをしていたのだろうか? 壁画の劣化防止という理由で、我々国民から古墳を完全に隔離しておいてこの体たらく。センセー達の責任は重い。はぎ取りが決定したからには、広く我々が見ることができるよう壁画の一般公開を望む。センセー達の研究材料としてこれ以上独占しようなんて思わないでほしい。高精細なデジタル写真も撮影されたはずなので、それの公開もしてほしいものだ(公開しない理由って何かあるのかしら)。 →MAP
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