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2004/07/16

薬師寺東塔の水煙

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薬師寺東塔の水煙。水煙とは、塔の相輪上部に付けられる火焔形の装飾物で、塔を雷や火災から守る水をイメージしたものだ。薬師寺東塔の水煙は芸術的にも素晴らしいもので、和辻哲郎は「古寺巡礼」の中でこう書いている。

 わたくしたちは金堂と東院堂との間の草原に立って、双眼鏡でこの塔の相輪を見上げた。塔の高さと実によく釣合ったこの相輪の頂上には、美しい水煙が、塔全体の調和をここに集めたかのように、かろやかに、しかも千鈞の重味をもって掛っている。その水煙に透し彫られている天人がまた言語に絶して美しい。真逆様に身を翻した半裸の女体の、微妙なふくよかな肉づけ、美しい柔かなうねり方。その円々とした、しかも細やかな腰や大腿にまとう薄い衣の、柔艶を極めたなびき方。——しかしそれは双眼鏡を以てしても幽かにしか解らない高いところに掛っている。だから詳しい観察を求めるものはどうしても塔の一階に置かれた石膏の模作に引きつけられざるを得ない。模作で眺めても、天人の体が水煙と融け合った微妙な装飾文様は、これほどのことまでわれわれの祖先には出来たのかと思うほど美しい。
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コメント

はじめまして。でろと申します。7月3日、4日と奈良に行きました。ブログでやってます。

投稿: derochan3 | 2004/07/16 23:00

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